冷凍庫

誰かにこの話を聞いてほしい、誰かと心のいちばんまんなかの話を、わたしの神さまの話を聞いてほしい、心のまんなかに座ってる神さま、わたしのこと、わたしのすべてのことをほんの少しの言葉で共有したい。これは宗教のはじまりかもしれない、だからすこし…

飾り

ますます生きるのが難しくなっている。縄文時代に生まれたかったという気持ちは日に日に強くなっている。神さまのようなものを見つけるとすぐに泣いてしまう。わたしはもう自分の気持ちの中に消えてしまうのではないかと思っている。わたしのこころがわたし…

お墓

胸がざわざわして、苦しくて、背中や肩がこわばっていて眠れない。確かに泣き出しそうな気持ちなのに、決定的な悲しみがないので泣くことができない。わたしは会話の仕方を忘れてしまった。学校が終わって、圧倒的にストレスがなくなったはずなのに、わたし…

あんたのことだよ

呪いのように会えなくなってしまった愛しい女の子、もうお互い女の子なんて歳じゃなくなっちゃったけど、もう一度会えるなら初めて会ったときみたいに上野で何か展覧会を見たい、何でもいい、それからふたりでラーメンでも食べようよ

やまなみとひかり

許してって言ったら何も聞かずにただぜんぶ許すよって言ってほしいわたしだって本気でこんなこと言ってるわけじゃなくてあなたはもちろんうそでいいから

祈りしかない

穏やかで安定した精神の中に深く深く潜っていくだけで年をとれたらほんとうによかった。なんでもなくなることはこわくない。そのことはただ肉親にいい顔をしたいだけだから。お金なんて少しだけあればいい。それ以上の何かを求めていない。でも縄文時代に生…

いつだって明日の朝起きて少しでもよくなっているためだったら今晩何だってしたいって思ってる

ぬいぐるみのような気持ちをぜんぶのものに求めている。ぬいぐるみは呪術に近いということには気づいている。それでもその愛らしいすがたのおかげで誰にも否定されたりしない。わたしは占いや手相や背後霊やオーラみたいなものを警戒していて、それはなぜだ…

とんでごらん

昔のことを急に思い出して日記を読み返していたら信じられないくらい涙がたくさんでておかしくなりそうだった 思い出は強い わたしたちはその中でおかしくならないように気を張って生きていかなくてはいけない 誰かに思い出してほしい気がして本を作った あ…

思い出作りましょう

恋人がネットで買った新しい暖房器具にあたりながら、夜中、お弁当とクリスマスツリーのことを考えていたら涙が止まらなくなった やるせないような懐かしいようなとてもよく知っている大切な気持ちがした 気が遠くなる わたしがほんとうにひとりだったあの愛…

UFO

今日は夕飯を作る日だったのに、友だちの店でおしゃべりしていたら遅い時間になって作れなかった、仕事終わりの恋人と待ち合わせて外食をした 怒っているかもしれないと思ったけど恋人はラーメンをおごってくれた 帰りに結婚しようって話をした

歴史

恋人が帰ってきたのが自転車をとめる音でわかる、もう何年も一緒にいて、五億回帰ってきたってうれしい、五億回一緒に食事をして五億回手をつないで眠って一緒に可愛い化石になろうね。地殻変動のときは、ひとつの貝殻になって耐えようね、新しい、どんなと…

真ん中

いつも勝手にひとりで悲しい 悲しい気持ちの行き場がなくてばかみたいに買い物したり大切なものを壊して泣いたりするしかない ほんとうにばかみたい わたしは悪い子供だった 悪いことをするのは叱ってもらいたいとかそんな簡単なことじゃなくて、ただ気持ち…

何を考えているのかわからない たまにこういうことがある どうしていつもと違うのかわからない わたしが悪いと思い込んで頭がおかしくなってはいけないということだけはわかる 三年間でそれを学んだんだわたしは でもどうしたってわたしが悪いようにしか思え…

あなたの大切なけむり

実体のない大切なものは誰も大切だと言ってくれないから自分で繰り返し強く肯定しなくてはいけない 口に出して何度も、それがわたしのそばにあると言わなくては、こころが弱くなったときに関係のない人に否定されてそれがいなくなってしまう。ほんとうのここ…

ほんとはね

冬になるのかも、このまま、なんかまた暑くなるってずっとずっと言ってる、みんな言ってるけど、このまま冬になるのかもって今朝思ったよ。朝起きて窓から手を出して見たら冷えた空気がヒュンヒュンってきてわたしの頬に触った、ここは5かいだから窓がちょっ…

海へ行くバス

日光アレルギーだから海水浴なんてしたことなくて、だからハワイに対する憧れはある。家族で海に行っても長袖長ズボン帽子でパラソルの下にいるだけで、知った顔がどんどん遠くに行くのを見ていただけ、丸いパラソルの影の中からきれいなもようの石を探して…

幸せのあひるメジャー

子供のころ、何かが欲しくて駄々をこねて、それを買ってもらえた記憶がない。よくいる子供と同じようにショッピングモールの床に座り込んで泣くわたしに見向きもせずに母はどんどん歩いて行った、一度も振り返らずにどんどん小さくなる母を見てわたしは、あ…

ペンギンのある家

近くに住んでいる友だちとお茶を飲んでいたときにきれいな料理の写真を見せてもらいました。これでお昼は千円なの、見えないでしょ、すごい、いいなどこ?あっ近い、こんど行こうなんて話をしていたら、母と食事をしたときのことを思い出しました。高校のと…

家族

わたしは、いま一緒に暮らしている、ずいぶん年の離れた恋人に会うまで、家族というものがどういうものなのかを知らなかった。人の体温があたたかいということや、人の髪が柔らかいということを知らなかった。自分よりもずっとずっと大きな場所でわたしが許…

女の子男の子

仲良くなりたい女の子とあそぶ約束が三つもあって幸せ 最近は男の子の友達がふえて、男の子とあそぶ機会のほうが多いしそれも楽しいんだけど、男の子といるとどこかで対男の子としての女の子をやらなくてはいけないという気持ちがあるし、ちょっとした女の子…

本を読まなくても音楽を知らなくても映画の途中で寝てしまっても落ち着きがなくても早口でもかんしゃく持ちで疑り深くて約束を守れなくても誰かの大切な女の子になることができる 何一つやり終えたことがなく手紙も書けず借りたDVDは返す前に観たためしがな…

わるいソング

ひとりでいると頭が悪くなるの 床の掃除して せんたっき三回して コインランドリーで乾燥機待つ 間にカレー食べるの 気持ちのはじっこが見えないと だめになるのおどろくほどかんたんに 靴ひもの結び方分からなくて 玄関でへたりこんで 大声で泣くの こんな…

もう一回

わたしが好きだったのはみんな男の子が好きな女の子 それは清潔だからだったけど 性的なものの対象から外れるようにいつだってつとめてきたし、今でも わたしは自分の意思で体の成長をずっと止めてきた それができた だからわたしはもう死んじゃったも同然っ…

未来

左の上の奥、舌をねじって触るところが虫歯で穴があいていてそれが日に日に大きく尖っていくのがわかる、舌でわかる、舌が目や手や足のかわりになってわかる いつか病気で死ぬかもしれないのに病気で死ぬかもしれませんと言われてしまったらどうしようと思っ…

ばか夏

日焼け止めの白い粉のにおい違う国のにおいで息があんまりできないもう見えてるのにわたしこんなところでしんじゃいたくない

輪郭、そのかがやき

ただ毎日の楽しいことやつらいことを受け止めてひとつずつ、終わらせていくだけなの、友達ができてうれしいけれどわたしは、この若く才能のある人たちの中に埋れて、さみしさを忘れていくことが怖い、静かで小さなかなしい気持ちのまんなかにいたときはあな…

お花

もう学校に行けるよ わたしもうかわいそうじゃない もうかわいそうじゃないよ

もう会えないね

100パーセントの愛がほしい 理由もなくただ許されたい いますぐ生まれたばかりの赤ん坊になって言葉をなくしたい 明るいことや暗いことしか分からなくなってあなたの指を握ってみたい あたたかいお湯につかりたい いますぐ死んで誰かの大切な女の子になれる…

ちぇ

わたしだって生きてんだから大人になるし何かに妥協したり誰かを許したりできるようになるよ 怒らないでよ わたしがいちばんつらいんだから わたしは美しくなくなったしそれがいちばんつらいのはわたしに決まってるでしょ また新しい若い幸せな子供を見つけ…

わたくしごとではありますが

世界とか、もうないんだよな